
【2016年2月2日(米国時間)に弊社ブログで掲載した内容の抄訳です】
街行く人の髪型を見て、「これ90年代にはイケてたな」と思ったことはありませんか?私も今のUberのデザインや世界観について、同じような気持ちを多少なり持っています。4年前、当時の赤いロゴから、若さやスピード感を表現した現在の黒いUberロゴに、焦って変更したということではありません。当時は今とは根本的に違う会社でした。
もともとUberは、サンフランシスコにいる100人の友人に、まるでお抱え運転手を持つようなハイヤーサービスの体験を提供する、という所からスタートしました。現在では、68カ国、400都市に交通ネットワークを張り巡らせ、スマートフォンから配車だけではなく、食べ物を注文したり、物を配達することもできるようになりました。uberXやuberPOOLのようなサービスの登場により、Uberはラグジュアリーな乗車体験に加え、手の届くラグジュアリー、そして、毎日気軽にご利用いただける交通手段を、何百万人の方々に提供する企業に成長しました。
このような変化は一夜で起こったことではありませんが、本当にあっという間でした。2年ほど前に、シャーリーン・アミンと私は、弊社が今後提供するサービスを表現するUberの「見え方」について議論を始めました。Uberの面白みは、アプリを通じて実世界の価値を生み出すことです。スマートフォンでボタンをタップするだけで、車が実際に動き、リクエストした場所に来てくれます。Uberは「ビット」と「アトム」(原子)の融合よって成り立っていると言えます。Uberが提供するのは単なる技術ではなく、都市や人々を動かすことができるテクノロジー なのです。
本日、我々の新しい世界観をお披露目し、Uberのテクノロジーやサービスを展開している都市を賞賛できることを嬉しく思います。
ロゴ
まずお気づきになられるのは、ロゴが一気にしっかりとし、縦長になったことだと思います。ある人は小洒落たかんじがなくなった思うかもしれません。(クルっとした90年代のカール風の部分を切り落としてしまったこともあり) しかし、この新しいロゴを通じて、遠くからでも、或いは小くても、しっかりと視認性を確保しています。そして、もっとがっしりとした佇まいを醸し出し、企業として成長したことをを表しています。
ビット
「ビット」という概念をデザインのフレームワークの至るところで採用しています。我々のテクノロジーを全面に出し、一貫性や情報を表現しながら、Uberブランドがさらに際立つようにデザインされています。以下、刷新された我々のWebサイトからサンプルをいくつかご紹介します。新しいアプリのアイコンのベースになっています。
アトム
いままでのUberは白黒で、どことなく遠くにいる、冷たい心象を与えていました。しかし、実際には、Uber という交通ネットワークは街を網羅し、ユーザー一人ひとりの移動の仕方を変えています。この人間的な側面を浮き彫りにするために、「アトム」というコンセプトを、色やパターンを用いて表現することにしました。弊社のチームメンバーは数ヶ月間かけ、各都市の建造物や、布、風景、美術、ファッション、人々などを調査し、Uberが展開している全68カ国でユニークなアイデンティティーを創造しました。
例えば、メキシコではメキシカン・ピンクやタイルの柄からヒントをもらいました。アイルランドでは、グルジア風の建築物や木々の豊かな緑色をテーマに、ナイジェリアでは、アンカラ布の明るい色や美しい幾何学的なパターンを採用しました。
CHINA
IRELAND
MEXICO
INDIA
しかし、これは始まりに過ぎません。長期的な目標としては、国別だけでなく、都市別に特性を表現したユニークなデザインを作っていきたいと思っています。将来的には、何百ものカラーパレットやパターンを追加していきます。
新しいアプリのアイコン
我々が遂げた最も大きな変化の一つは、人以外も運ぶようになったということです。今では、食べ物や商品を運んでおり、今後はもっと違うものを移動することになるかもしれません。一つのシンボルで、Uberの全てを表現しようとすることはやめました。そこで、ビットとアトムの話に立ち返りました。乗客とドライバーのアプリのアイコンには、ビットが中心に位置づけられ、その地域の特徴的な色やパターンが背景になっています。このフレームワークは、今後新サービスのアイコンをデザインする際にも役立っていきます。


Uberは一人ひとりにお抱え運転手を提供するようなサービスからスタートしました。しかし現在掲 げる目標は、まるで水道水のように、どこでも誰でも、当たり前に利用できるような交通手段を提供することです。新しいブランドの世界観は、Uberがサービスを展開している各都市を賞賛し、この目標を表現しています。今日は皆様にこれをお披露目できて嬉しく思います。今回の「髪型」が前回のものより長く続きますように 🙂
トラビス・カラニック
CEO、共同創業者
投稿者: Keiko